フィンテックによる銀行への影響とは 『銀行員はどう生きるか』

銀行員はどう生きるか (講談社現代新書)

銀行員はどう生きるか (講談社現代新書)

  • 作者:浪川攻
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2018/04/19
  • メディア: Kindle版
 


今日は、上記の「銀行員はどう生きるか」を読んでみた。
ITの発展により、銀行がどう影響をうけるか、
どう変わっていくか疑問に思っていたので読んでみた次第だ。

銀行の口座手数料の有償化など、
何かと銀行業界の収益性悪化が話題になっている。

フィンテックの台頭により、
既存の銀行がジリ貧になっていくのはいち消費者として感じていたし、
現状銀行の中で何が起きていて、そしてそこからどういった展望が描けるのか、という目線で読んでいたが、
どう考えても銀行の未来は明るくないなという結論にしかならなかった。

新勢力のフィンテック・プレーヤーにより、
既存の銀行業務が徐々に奪われていき、
自滅へのカウントダウンが進んでいく。

もちろん、その中で働く銀行員にも影響は及び、
銀行の収益性悪化などにより、
銀行員ひとりひとりの年収の抑制・減額に至る。

この流れを止めることは難しく、
かつてあった銀行・銀行員への安定や社会的なステータスが
見るも無残に失くなっていく未来しか見えない。

ビル・ゲイツが1994年に、
「金融は必要だが、今のかたちの銀行はなくなる」と唱えていたが、
完全にそのとおりになっている。

サービスの質・価格において、
伝統的な銀行は新参者に勝てないだろう。

僕個人としても、
数年前から楽天銀行を使用し、送金や振込もスマホ一つでできている。
楽天銀行の金利は0.1%とメインバンク(金利0.001%)に預金をする気もおきない。
たまったポイントは証券口座で使うこともできるし、ATMに手数料を払うこともない。
とても便利だ。

現状の銀行業界における競争環境やそこからの課題・展開など、
特に知識がなくても楽しめる内容となっておりました。
興味ある方はぜひ一読をおすすめします。

 

銀行員はどう生きるか (講談社現代新書)

銀行員はどう生きるか (講談社現代新書)

  • 作者:浪川攻
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2018/04/19
  • メディア: Kindle版
 

 

 


 

以下備忘録としてまとめておきます。

今銀行に何が起きているのか?

→従来のビジネスモデルが時代遅れ
→収益構造の転換を余儀なくされている
→銀行の存在意義の薄れ

銀行の収益構造は?

→集めた預金を企業等に貸し出し、その差である「利ざや」収入を得ること
→投信や保険商品などの販売手数料
→送金手数料 など

銀行をとりまく環境は非常に厳しい 

日本社会の構造変化

→人口減少・高齢化
→企業数の減少・事業継続の断念
→顧客基盤の縮小
→貸出が縮小(利ざやの減少)
→収益悪化

経営環境の変化

→日銀のマイナス金利政策
→利ざやの減少
→収益悪化

フィンテック

→労働集約型産業だった銀行
→高コスト構造(大量の人件費、店舗・ATMの維持など固定費が重い)
→フィンテック登場
→従来より効率的・低コストの金融サービスの提供
→競争劣位により収益悪化

地銀はより深刻

・地銀の過半数が本業で赤字
→「経営統合」にて活路を見出すが、それは本質的な解決策ではない
→経営統合しても、規模の拡大と重複部門の整理という限定的な経費削減でしかない
→持続可能性に欠ける
→やはり根本的なビジネスモデルの転換が必要

これからの銀行の姿

ITを活用した業務効率化(省力化)


→低コスト化を目指す
①人員削減
②業務量の削減
③固定費の削減(店舗数の削減、デジタル型店舗などへの移行)

営業力の強化

→業務量削減で生まれた余力を営業力の強化に振り分ける
→営業現場の「働き方改革」
→銀行本位のノルマ営業から脱却
→顧客に寄り添い、本質的な価値提供
→フィンテックにはできない顔が見える対面ビジネスの部分で勝負
→富裕層取引などの成長分野の強化により収益拡大を狙う
※ただ富裕層の争奪戦は激化の一途をたどっており、先行きは厳しい

時代の変化にキャッチアップした新たなビジネスモデルをいかに早く構築できるか
→個別銀行の戦略性と実現速度が肝

最後に

これからもフィンテックを活用して、
金融分野に参入してくる企業はどんどん増えていくだろう。
今後も競争は激化していくのは間違いない。

最近では銀行や郵便局などによる不祥事も珍しくなくなってきた。
構造不況として銀行業界のビジネスモデルが通用しなくなっており、
・過剰なノルマによる不正横行
・銀行員の給料の変動費化→実績給の比率が高まり→不正行為へのインセンティブが高まる
など、社会問題となっている。


「金融業の本質とは顧客からの信頼」という大原則を忘れることなく、
IT技術では代替できない、真に顧客のためになるような金融サービスの展開を期待したい。

 

銀行員はどう生きるか (講談社現代新書)

銀行員はどう生きるか (講談社現代新書)

  • 作者:浪川攻
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2018/04/19
  • メディア: Kindle版